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「どうする?日本のお産」プロジェクト - [札幌]講演とディスカッション Diff

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!講演(問題提起)と全体ディスカッション

講演の1題目は、ふれあい横浜ホスピタルの早乙女先生から「どうする?日本のお産 今、どこで、何が問題なのか」について。2題目は、北海道大学の水上教授から「これからの周産期医療提供体制のあり方」について、伝えられ産科医療が抱える現状について全体像を共有しました。

その後、全体ディスカッションで「言っちゃえ現状!」と、参加者のそれぞれの立場で、「○○したいのに出来ない」という現状について、フリーで意見を出し合いました。愚痴を言いたいのに言えない…というプライドはこの際捨てましょう!という、熊手さんのありがたいお言葉で、ディスカッションは始まりました。

春に産婦人科が閉鎖され、そのことによって発生している問題に対する独自の取り組みの紹介や、いったん分娩の取り扱いを中止したけれども、対象者を限定して受け入れを再開した病院の取り組みなどが伝えられました。
また、産科医、麻酔科医から、働く女医の環境やサポートについての意見があり、これに対して、「産む人の快適は、助ける人の快適がいる」という発言もありました。
「今の日本では「高級ブランド品(=安全で快適な出産)を、コンビニ(=近くて便利な病・産院)で購入しようとしている」というご意見に対して、「ママたちが求めているのは、『近くの商店(=顔見知りで安心感をもてる)』のような存在である」という意見も出ました。
さらに、「院内助産所」という言葉の使い方について、一般的に開業している助産所が、「院外助産所」のように誤解される可能性についても意見や、北海道の助産師は、職場でもその資格が認められているとの意見がありました。

全体に、予定時間を超過するほど活発に意見が出されました。
ファシリテーターの熊手さん、参加者の皆さん、お疲れ様でした。

以下もう少し詳しくご紹介いたします。

!○○したいけど、できない:
*疲れ果てた医師に任せたい人がいるのだろうか。十分な産婦人科医・麻酔科医・小児科医がいて、はじめて成り立つものではないか。お買い物には高速道路で遠くまで行くのに、大切な医療を受けるときにはお金を出し惜しみ?医師の善意に頼るのではなく、社会環境を整えるべきではないか。私は子どもがいるので、今の産科医療には戻れない。(産婦人科医師)
*女性医師が子どもを持って仕事を続けられるか?産後疲れないで仕事を続けられるようなサポートが欲しい。(麻酔科医)
*日本のお産の3人に1人は助産院でできるはず。ドクターと同じ土俵で助産師もやっていく。地域ネットワークのなかで、助産師も医師も同じように関わるべきだ。助産師が主導のお産は満足度が高く、3割は助産院で出来るというデータがある。お産をするところがコンビニ感覚で、一生に一度の買い物をするのに、そこら中にあって欲しい、と言うのはもう成り立たない。そんな状況で訴訟を起こさないで欲しい。出来る努力はするが、お金や時間を惜しまないで欲しい。(産婦人科医)
*病院はお産を閉鎖したが助産師はやめていない。院内助産院はできていない。妊婦検診に通うのが遠いから受診に来たい人はいる。関心の高い人でサークル活動をはじめたら、不動産業者が関心をもってくれた。子どもたちの未来をハッピーに!(助産師)
*アメリカの助産師は、教育の中で会陰切開もできるが、日本の教育でも十分に頑張れば助産師のお産がもっとできるはず。産科医の不足という議論の中で、助産師の活用の話に繋がらないが、未来に向けて数の増加、質の向上につなげたい。何かあったら、ということについては病院機関が嘱託医になるという改訂があったが、引き受けてくれる医師ばかりではない。(大学教員)
*現在外来のみ行なっている。近郊の病院に妊婦を紹介していたが、常勤医師1名確保して分娩再開予定。助産師2名。経産婦さんを中心に月5-6名受け入れている。十分関わるには人手が足りない。救急車の中で分娩に至り救急隊員が対応した。麻酔科医が撤退予定で小児科医も危うい。
*助産院開業と助産院と院内助産院は違う。区別をキチンとして話をして欲しい。「助産科」に統一してはどうか。現状が厳しいので目先ばかり問題になっているが、10年後、20年後のお産をどうするかを考えると、他の科でも医師が余っているわけではない。地域によってはすでに医者などいない。
*道内では助産師の資格を認められていると思うが、神奈川で働いたときは看護師の仕事をしていた。助産師学校に行くためには、看護師で内診もさせてもらえたのは勉強になった。排臨・発露になったら、医師を呼ぶスタイルの病院で、助産師を募集しているが集まらないというのは、助産師の資格を認めてくれていないのではないか。産科の医師は使いやすい人を使っているのではないか。(助産師)
*アメリカは助産師教育のなかで会陰切開、薬の処方も一部できる。日本ではそのような権限もないのでアメリカのような権限を増やすべきではないか。
*お産はもともと自分の力で出来るはず。助産師さんの出産の満足度が高いのは医療介入が少ないためではないか。